前回は筆記試験日の様子等について書いてきました。今回は口述試験の本番の様子等についてまとめてみたいと思います。この文章を通して口述試験対策等に関して参考になればいいなと思いながら書きます。
受験される方々は少なくとも一次の筆記試験に合格されている方々です。それなりに試験科目について知識があるという前提です。
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口述試験のの簡単な概要
この口述試験は4科目で40点満点、合格基準が6割以上の得点となっています。一科目当たりの試験時間は3分間です。4科目合わせて12分間の試験です。一科目当たり5問出題されます。わからない問題は素直に試験官に
「次お願いします。」と言い、できる問題を回答したほうがいいです。わからない問題にいつまでも引っかかっていると3分間はあっという間に過ぎてしまいます。問題が出されたら反射的に口答で解答できるように練習しておきましょう。
海事代理士試験口述対策セミナー
試験の前日に日本海事代理士会が主催でこのような直前対策セミナーを実施してくれます。
今回はこのセミナーに参加しました。これに参加するために東京に前日入りしました。結論から言うと効果は抜群でした。当日の本番さながらに口述試験を模擬体験できてしまうのです。
セミナー受講生は順番に1~4番に着席します。タイムキーパーの合図で模擬試験が開始されます。試験官役は全員この日のためにお越しいただいた現役の海事代理士です。本番とは違って4分間で可能な限りの問題を出題してくれます。間違えたらその場で指導してくれます。4分経過後に「チーン」とベルが鳴り、次の机に移動します。16分間で1セット、これが4回繰り返されます。口述で解答することの難しさが体験できると同時に、本番形式の試験スタイルに慣れることができます。時間に余裕がある際は参加されることをおすすめいたします。4セットが終了するころにはやりきった!という満足感に浸れます。香川県から参加していたY氏も帰路でこのようなことを言っていたように記憶しています。その後Y氏は夜の銀座に向かって歩いて行かれました。
口述試験試験当日の過ごし方について
筆者の口述試験日に割り当てられた日程は15:30開始というものでした。前泊している宿舎は10時にチェックアウトするので試験まで時間がありました。筆者は試験前にはいつも近所のヒムロックの故郷にある倉賀野神社様へ寄るのですが、なんと寄り忘れたことがわかりました。東京には神社がたくさんあるので今回は神田の明神様に参拝させていただきました。
立派な神社ですね。神社に寄っても15時まで時間があります。この時間を勉強に充てないわけにはいきません。早めに国土交通省へ向かって控室で勉強するという手段も考えられましたが、この控室は椅子があるのみで机がありません。そこで千代田の図書館に向かうことにしました。ここはとても静かで試験の直前確認をするにはもってこいです。しかも国土交通省のすぐ近く徒歩圏内です。この図書館で14時くらいまで口述の復習をしました。
口述試験本番について
14時くらいに試験会場につくと昨日セミナーで一緒だったY氏が居ました。筆者より試験時刻が1時間早い割り当てなので先乗りしていたようです。
口述試験の会場図です。筆者の場合は上記の番号順にまわりました。4人一組での実施なので2から始まる人は②→③→④→①とまわることになります。どこからスタートするかは受付後にわかります。
船舶安全法・・・過去に出題されたような問題で順調に5問目まで解答しました。全問解答後に試験官が「戻りたいところはありますか?」と聞いてくれます。
(問)沿海区域を航行区域とする総トン数200トンの旅客船の船舶検査証書の有効期間は何 年か述べよ。 →「6年です」と答えていました。そうなんです。とても緊張するのです。ですが時間が余ったことによって冷静に考えると5年だとわかります。それなので「5年です」と言い直すことができました。
船員法・・・ここも過去に出されたような問題で構成されていたかと記憶しています。過去問をしっかり対策してあれば大丈夫かと思われます。しかし過去問を見返すと新出の問題が見られますね。こんなのが出されたら解答できなかったかもしれません。
船舶法・・・基本的に過去問を押さえておけば解答できたかと思われます。
(問) 日本船舶は法令に別段の規定がある場合を除くほか、船舶国籍証書又は仮船舶国籍証書 の交付を受けた後でなければ出来ないことを2つ述べよ。
筆者「えっ?ふたつですか(;・∀・)、ひとつは船舶を航行させることと、もう一つは・・・わかりません、、、次おねがいします。」
(問) 船舶法において、申請・提出先が船籍港を管轄する管海官庁とされている手続を全て述 べよ。
筆者「すっ、全てですか(・。・;、総トン数測度申請と総トン数改測申請と、あとはわかりません。次お願いします。」
この問題、昨年は二つ述べよ!だったんです。それを全部言えってきたもんだから焦ってしまい、検認という用語が飛んでしまいました。この時点でかなり動揺しています。
職員法・・・例年一番細かく問われる問題だと思います。
試験官「第一問、船舶の船長のことを「船舶職員」というときと、「小型船舶操縦者」というときがある が、その違いを簡潔に述べよ。」
筆者「???(-_-;)、、、次おねがいします。」
試験官「日本国民がSTCW条約の締約国以外の国を旗国とする15万トンのタンカーを船舶の みを借り入れた場合、この法に定める船舶所有者たる日本国民は、この法に定める乗組み 基準に従い、海技士を乗り組ませる必要があるか否か述べよ。また、その理由を述べよ。 」
筆者「???(-_-;)、、、海技士を乗り込ませる必要があります。理由はわかりません。次お願いします。」この後に出された問題はスムースに解答できましたが、どんな問題が出たか記憶がありません。動揺してしまい、気が付けば試験官が上の二問に戻って設問を再度読んでくれていました。
筆者「小型船舶の操縦者とは、総トン数20トン未満の船舶の船長です。」としか言えませんでした。
まとめ
一科目3分で5問出題されます。4人一組で実施されます。3分間はあっという間に過ぎてしまいます。後悔しないように過去問をせめて直近3年分は復習しておいたほうがいいと思います。マニュアルの巻末に載っている口述対策問題は全部覚えたほうがいいです。そして本番はまわりの受験生も含めてみなさん大きな声で必死に回答されています。雰囲気にのまれないように口述セミナーを受講しておくことをおすすめいたします。
安全法と船員法は自分の中で大丈夫だろうという自信がありました。しかし職員法と船舶法で大きな不安を残してしまったので帰りは飲むしかありませんでした。結果は〇でしたが発表の日まで緊張して過ごしました。
例年口述は落とさない試験だと言われていました。今年は落とす試験だったと思います。来年受験される方は筆記に合格しても気を抜かないように、後悔しないように、口述の対策を頑張ってください。